ティリッヒ著作集(全10巻+別巻3巻/全13冊/白水社)

「ティリッヒ著作集」は1999年に刊行された書籍です。20世紀のキリスト教神学に多大な影響を与えたとされるドイツの神学者・パウル・ティリッヒの著書を日本語訳にてまとめた叢書となっており、西欧精神史の文化遺産を甦らせ、20世紀に光を注いだティリッヒの思索を辿る書となっております。

組織神学、宗教社会主義を思想とするパウル・ティリッヒは、神学者のみならず哲学や思想、美術史など幅広い分野に影響を与えた人物でした。1886年にベルリン近郊の村で生まれ、ベルリン大学に進学、神学や哲学を学びました。自然をこよなく愛し、その中でも特に海が好きだったとか。限りが有り、それでも無限の世界を感じさせる海は彼にとって心揺さぶられる場所だったのでしょう。

ティリッヒは、宗教や文化、社会、神学、哲学などの境界線上に立ち、互いの関係を相関させ深い次元での統合を目指していた人物でした。自分自身の根底を理解し、そこで働く力に従う「神律」によって自己を完成することに導いた人物とも言われ、個人の尊厳を重んじながら神学を極めていきました。

「ティリッヒ著作集」では、神学や哲学の道を切り開いたティリッヒの著書を日本語訳にて読む事ができます。

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