【写真集本買取】北井一夫写真集「三里塚」:1969-1971 のら社

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北井一夫「三里塚」は1971年に発行された写真集です。成田空港建設における反対闘争「三里塚闘争」の姿を収めたルポルタージュ写真集で、1969年〜71年の間に撮影された三里塚のリアルな姿を見ることができます。

1960年代に勃発した闘争「三里塚闘争(成田闘争)」をご存じでしょうか。
今では“日本の玄関口”とも言われる成田空港が建設される前、その土地は野生馬の飼育や農地として人々が生活していました。第二次世界大戦が終戦を迎えたあとは開拓の一環として農地が解放され、過酷な環境の中、農民たちは少しずつ営農を安定させていったのです。
しかし1960年代初頭、日本経済の成長によって航空産業も急激な発展を見せていました。そこで「羽田空港に代わる、もっと大きな国際空港」との声があがり、成田空港の建設が計画されたのです。

その当時はまだ「飛行機」というものの認識が薄く、建築用地となった場所ではようやく農業が軌道に乗り始めてきた時期だったので、地元住民はもちろん反対しました。長年続いた闘争はただ単に開港が大幅に遅れただけでなく、警察官4人、工事作業員2人、反対派3人死者が出る惨事となってしまったのです。

写真家北井一夫は1969年から現地に行き、3年間にわたりシャッターを切り続けました。闘争の激しさや痛ましさを記録した写真集はほかにもいくつかありますが、北井一夫の写真にはどこか穏やかな空気が流れていて、束の間の休息を写したような、そこに暮らす人々の生活がリアルに切り取られています。写真には説明文もなく、1枚1枚がページいっぱいに収録されています。今となってはその面影もないほど発展している成田空港ですが、その裏には様々な歴史があり、人々の暮らしがあったことを知ることができる大変貴重な写真集となっております。

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