星の信仰 妙見・虚空蔵 (佐野賢治 編 溪水社)

「星の信仰―妙見・虚空蔵」は、1994年に溪水社より発売されました。

星を巡る民俗や星神信仰の歴史をはじめとして、虚空蔵信仰と妙見信仰の概略を学ぶ大変貴重な書籍となっております。

妙見とは妙見菩薩の略称で、北極星を神格化(天体や自然を神として扱うこと)したものです。国土を守り、災いや厄を取り除き福を増やすという菩薩で、尊星王，北辰菩薩とも言われています。

日本における妙見信仰は平安時代にはすでに存在しており、過去の書物にも「妙見神が霊験を現した」という話が記録されています。

一方の虚空蔵は虚空蔵菩薩の略。虚空(空中や大空)は何ものにも壊すことができないように、無量の法宝を所有しそれらを自在に操って民に幸福をもたらすことが名前の由来となっています。

虚空蔵は毎月13日は縁日になっていて、旧暦3月13日は十三参りと称して13歳になった男女の厄除けや開運、知恵授けのために多くの参拝者が訪れています。

「星の信仰―妙見・虚空蔵」に収められている内容は、妙見信仰や虚空蔵信仰、また星宮神社の成立についてなど。星に関する民俗の姿や、民俗がどのようにして形成されていったのかなど歴史的背景を踏まえながら解説しています。

日本人にとっての星の意味や信仰の世界を捉えることができる大変貴重な書籍となっております。

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