【囲碁本買取】明治碁譜 瀬越憲作 日本経済新聞社

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瀬越憲作著「明治碁譜」は、1959年(昭和34年)に日本経済新聞社より刊行された書籍です。箱入りの大型本で、タイトルの通り明治の碁譜が集成されています。瀬越憲作氏が編著をつとめ、当時のリアルな碁の記録を垣間見ることができます。

遣唐使によって日本に伝わった囲碁。奈良時代には盛んに打たれ、平安時代は貴族のたしなみとして広まりました。戦後から江戸にかけては囲碁棋士のレベルが飛躍的に向上した時代となり、黄金期と言われる江戸時代には本因坊家と井上家、安井家、林家の四家が碁の家元と呼ばれるようになりました。

しかし明治維新によって徳川幕府が崩壊すると、囲碁界もまた基盤を失いました。西洋文化も取り入れられていた文明開化の時代。囲碁棋士らは賢明になって囲碁の文化を守ろうとしたのです。

その努力が実を結び、1878年、当時の新聞に初めて棋譜が掲載。その翌年には村瀬秀甫が「方円社」を結成し碁の普及につとめました。以前は段位制だったものを級位制に変え西洋人とも碁を指導。新しい試みや碁の文化を受け継ぐ姿勢が政府の目にも止まり、前向きな援助を受けられるまでになりました。

囲碁の歴史というとどうしても華やかな平安時代や江戸時代に目を向けられがちですが、現代の囲碁が変わらずに受け継がれているのは明治時代の不屈の努力があったと言っても過言ではありません。本書では、そんな激動の時代・明治に打たれた囲碁の棋譜が収録されております。編集をつとめた瀬越憲作も大正・昭和に活躍した囲碁棋士であり、囲碁普及に貢献した人物です。収められているのは棋譜ですが、その背景に碁の歴史が垣間見られる、そんな書籍となっております。

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