漢方医学大系(全18巻/龍野一雄/雄渾社)

「漢方医学大系」は、昭和53年〜54年にかけて刊行された書籍です。全18巻、執筆は龍野一雄氏が担当し、漢方医学について詳しく解説されております。

漢方医学とは簡単に言うと漢方薬を投与する医学体系のことで、古代医学書に基づく薬物療法のことを指します。5・6世紀に朝鮮半島を経由して中国から中国医学がまず始めに伝来し、それから明に留学した僧医などによって徐々に発展、独自性を持つようになったのが “漢方医学”です。漢方医学が急速に発展したのは16世紀の室町時代以降。貿易が盛んになったことで一般にも普及したとされています。

医療技術と違い伝統的療法により生薬の調合を行って処方される漢方。現在も漢方薬を使用した治療は幅広く行われておりますが、中国や韓国で取り入れられている国家資格はまだ存在せず、体系的な知識を持つ医師は極めて少ないとされています。

「漢方医学大系」では、龍野一雄が残した研究成果がまとめられた書籍となっており、解説篇から随筆・座談・鍼灸篇まで漢方医学のことについて詳しく知ることができる内容となっています。刊行から40年近く経過しておりますが、その研究成果は今でも色褪せることなく継承され、今に伝えられています。

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