吉田健一集成 (全8巻+別巻 全9冊 新潮社)

「吉田健一集成」は、1993年〜1994年にかけて新潮社から刊行された書籍です。日本を代表する英文学翻訳家、そして評論家として幅広く活躍した吉田健一の文学作品を集成したシリーズで、文学批評や随筆、長編・短編小説など吉田健一の著作を網羅した内容となっております。

薩摩藩士の大久保利通の曾孫と政治家・吉田茂の間に生まれた吉田健一は、フランスを中心に学んだヨーロッパ文学の豊富な知識で評論をはじめ数々の小説を書き続けた作家でした。

名門・ケンブリッジ大学の在学中にウィリアム・シャイクスピアやシャルル・ボードレールなどに熱中し、その後アテネに渡り、フランス語を基礎から学習。文学界への道を進んだ吉田は同人誌を創刊するなど独自に活動をはじめ、1957年に「シェイクスピア」で読売文学賞を受賞しました。

同年には新潮社文学賞、70、71年には野間文学賞など小説部門での評価が年々高くなる吉田健一。石川淳や大岡昇平、中村光夫、三島由紀夫など交友関係も広く、ファンも多かったといいます。

「吉田健一集成」では、そんな吉田の小説作品はもちろんのこと、随筆や批評にて吉田の人柄を見ることができる内容が多数収められています。どのような人生を歩み、どのような交友関係にあったのか。9巻の中でさまざまな吉田の姿を見ることができます。

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