新註校定 国訳本草綱目(本巻全15+附図(別巻)上下/全17冊/春陽堂書店)

「新註校定 国訳本草綱目」は、全15巻に附図の別巻が2冊付属して、全17冊が春陽堂書店から1973年から1977年にかけて刊行されました。

本草綱目とは中国の本草書であり、近代以前に記録された、動物・植物・岩石・鉱物などについての博物学的解釈を記したものです。中国の本草学のなかでも分量が多く、内容も充実している薬学著作です。著者である李時珍は、本書を編纂するために800種類以上の文献を参考に完成させました。

本草学とは、もともとは博物学を専門的に学ぶものではなく、「医薬品として使えるかどうか。」「使えるとしたらどんな効能が期待できるか。」など医学的な研究がなされていました。現代でも主に薬学や医学関係の専門家の先生が研究を行っています。

国訳本草綱目を新註し校定して製作されたものであり、附図も上下2巻にて付属しております。趙学敏が「国訳本草綱目」の書の誤りを正し，それに漏れた薬品を追加し刊行され、原文のままでは読みにくい部分を補った貴重なシリーズとなります。テキストや図も収録されており、本草書としては一番読みやすい書籍といわれております。薬物として利用するための本草学から、自然そのものを研究する博物学へ一歩踏み出した画期的な書籍ではないでしょうか。

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